2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 新司法試験・司法書士試験・行政書士試験の関係及び難易度の比較 | トップページ | 熊倉が質問に直接回答・取得時効と登記について »

2008年2月 4日 (月)

法科大学院生と行政書士試験の関係

一、はじめに
 行政書士試験の受験指導をしている機関による調査結果,及び平成19年度の行政書士試験の傾向の分析の結果からすると,次のようなことがいえると思います。すなわち,最近の行政書士試験の受験生の質がかなり変わってきているように思われます。
 具体的には,第一に,法科大学院生が法科大学院の入学試験の延長として,模擬試験を受けるような感覚で,行政書士試験の受験をしているという事実があります。そして,これは正しい選択・試みであると思います。すなわち,新司法試験の合格率は,初年度48%から,毎年徐々に下がり,3年後には,合格率は約25%くらいになりますので,法科大学院に入学した人でも,結局,70~75%くらいの人達は新司法試験に合格することできません。失礼ではありますが,この不合格者の方は,その後の人生を考えた場合,《法科大学院に入学したという事実》はおそらく何の役にも立ちません。それどころか,この事実は,むしろ『マイナス面があるのではないか』と思われます。このような観点からすると,これらの方は,失礼ではありますが,最悪のことを考えて,新司法試験以外の国家試験を受け,その国家資格を取得しておいたほうがよいと思います。それでは,法科大学院生にとって,もっとも受験しやすく,しかも,合格しやすい国家試験とは何でしょうか。

二、具体的な国家試験
1.司法書士試験
 まず,国家試験の価値(社会的価値及び経済的価値)及び類似性という面から考えると,《司法書士試験》が考えられます。しかし,残念ながら,法科大学院生が特別の勉強をせずに,司法書士試験の受験をし,容易に合格するということは不可能だと思います。すなわち,司法書士試験の場合,法科大学院生が全く勉強していない,しかも,法科大学院生にとってはなじみにくい《不動産登記法・商業登記法(の理論及び書式)・供託法・司法書士法》の勉強をしなければならず,これらの勉強が司法書士試験受験勉強のうち約50%を占めますので,このような勉強を,法科大学院の勉強と併行して行うことは,不可能だからです。

2.行政書士試験
 つぎに,《行政書士試験》が考えられます。行政書士試験の場合,①基礎法学,②憲法,③行政法,④民法,⑤商法・会社法,⑥一般知識等が試験科目でありますが,これらの科目については,法科大学院生は,法科大学院の入学試験ないしその法科大学院の講義において徹底的に勉強しているはずです。したがって,行政書士試験の場合,法科大学院生が,特別の受験勉強をすることなく受験し,充分合格できる試験であります。そして,行政書士試験のレベルは一昔前とは全く異なり,いわゆる偏差値的に考えればかなり上がっており,試験の内容も,①憲法,②民法,③商法・会社法については,新司法試験及び司法書士試験の内容とほとんど変わらないといえます。
 また,行政書士には次のような将来性があります。第一に,行政書士法の改正により,平成14年7月1日から,その業務について《代理権》が付与されたということです。第二に,行政書士事務所の法人化が認められたということです(平成16年8月1日施行)。この行政書士事務所の法人化により,弁護士や税理士などとネットワークを組み,いわゆる《協同》で国民の期待に応える時代も,近い将来には到来すると思われます。第三に,司法制度改革に伴う《行政書士による参入》という現象が考えられるということです。現行法上では,行政書士が訴訟そのものへ参加することはできませんが,司法制度への一部参加について,法律専門職として参入しょうとしています。たとえば,行政書士は,紛争を未然に防止する予防法の観点から,ADR(裁判外紛争処理)の参加が期待されています。より具体的には,和解や仲裁といった手続によって紛争を解決したり(たとえば,示談書の作成),また,紛争そのものを発生させないように事前に準備する(たとえば,遺産分割協議書の作成)という活動が考えられます。

三、結論
 以上の点から考えますと,法科大学院生は,念のために,1年生又は2年生の時に行政書士試験の受験をし,必ず合格しておくということが重要になっていると思われます。
 このような観点から,最近は,現実に,法科大学院生がかなり行政書士試験の受験をしているといわれています。その結果として,純粋な行政書士試験の受験生がなかなか合格しにくいという現象が生じているのも事実です。

« 新司法試験・司法書士試験・行政書士試験の関係及び難易度の比較 | トップページ | 熊倉が質問に直接回答・取得時効と登記について »

学問・資格」カテゴリの記事